個数や素材の違いは? 知っておきたいスーツの「ボタン」について
小さなものとはいえ、スーツ全体の印象を決めるカギとも言える「ボタン」。
オーダースーツを作る際などは、ボタンの数や素材にこだわって差をつけたいもの。
ここでは、スーツのボタンについて、知っていると便利なあれこれをご紹介します。
スーツの前ボタンの数で何が変わる?
スーツの原型は軍服で、当初は5つボタン等で、首元まで学ランのようにボタンが付いていましたが、現在のスーツの前ボタンの数は、1つから4つまであります。
1つボタンはタキシードなどのパーティー向け、4つボタンはカジュアルで個性的なものになりますので、ビジネススーツの主流は2つボタンか3つボタンということになります。
ボタンの数はその方の体型に合わせて決めるのが良いでしょう。
前ボタンについては数よりも、つける位置が重要だと言えます。
ウエストの一番細い位置に、2つボタンなら上ボタンが、3つボタンなら真ん中のボタンがついていると美しいシルエットになります。
さらに、ジャケットのVゾーンの面積がその人に合うか合わないかも重要な点です。
具体的には、顔の大きさの気になる方であれば2つボタンによりボリュームをカバーでき、長身で細身の方であれば3つボタンにより全体的なバランスのとれた印象となります。
袖ボタンの数はいくつがいい?
では、袖口のボタンの数はいくつが良いのでしょうか?
袖ボタンは、元々は自分の出身地を表すものでした。イギリスで言えば、イングランド地方なら4つ、スコットランド地方なら3つ、ウェールズ地方では5つといった具合です。
日本には特にそういった習慣はありませんので、オーダースーツを作る場合、自分の好みで数を決めて問題
ありません。
最近は、3つまたは4つのボタンを重ねてつける「重ねボタン(別名:キッスボタン)」が人気です。
ボタンの素材と選び方は?
スーツに用いられるボタンにはさまざまな素材のものがあり、素材によって光沢や風合いなど持ち味が変わってきます。
代表的なボタンの素材には以下のようなものがあります。
・水牛ボタン
バッファローの角を加工して作られたボタン。
ツヤ有りとツヤ無しのものがあり、天然素材ならではの高級感あふれる風合い。
年数を経ても頑丈で変色しづらく、スーツやジャケットなどに幅広く向いています。
・貝ボタン
白蝶貝や黒蝶貝など「貝」を素材とするボタン。
光沢があって涼しげな印象を与えるので麻・綿・竹(バンブー素材)などの夏用のスーツ等に
よく合います。
クリーニングで割れやすいので、その点にご注意を!
・ナットボタン
ヤシの実を素材とするボタン。
落ち着いた印象を与える自然で柔らかな質感。
時間の経過とともにナチュラルな風合いが増していくのが魅力です。
・ポリエステルボタン
ポリエステルを加工して作られたボタン。
色柄が豊富でバラエティに富んでいます。
耐久性に優れているのでビジネススーツに最も広く使われています。
上記のほかにも、ジャケット生地と同じ生地でくるんだ「くるみボタン」、紺ブレザーなどに好まれるゴールド系や
シルバー系の色調の金属製「メタルボタン」、
また、冬場のツイード生地などに最適な「革ボタン」など、いろいろな素材のボタンがあります。
オーダースーツのボタンを選ぶ時は、生地の色柄との相性や、季節感などを考慮して素材や色を決めるようにすると
良いでしょう。