紳士の国・イギリス発祥の帽子「ハンチング」の魅力
今やファッションにおいて「帽子」というアイテムは欠かせませんが、この帽子には豊富な種類があり、皆様の知らない歴史や魅力があることをご存知でしょうか？
今回はレトロな雰囲気で今でも高い人気を誇る「ハンチング」をご紹介していきます。
ハンチングの歴史
ハンチングは19世紀半ばのイギリスで生まれた帽子です。
当時のイギリス上流階級ではシルクハットを着用する習慣がありましたが、乗馬や狩猟などのシーンではシルクハットだとズレやすく不向きでした。
こういった激しい運動時に着用するために作られたのがハンチングです。
日本語に訳すと「鳥打帽」という意味を持ち、まさに狩猟のために作られた帽子だと言えるでしょう。
その実用性の高さと、安価に生産できるという特徴から上流階級だけではなく庶民にも愛されるようになり、いつしか庶民のシンボルとして扱われるようになります。
日本でのハンチング流行
明治時代に入るまでの日本には頭巾を被ることはあっても、帽子という概念は存在しませんでした。
また、明治初期では髷を落としていなかった人も多く、帽子を被る方はごく少数だったようです。
このような時代の趨勢に変化が見られた明治時代の中期にハンチングは登場しました。
シルクハットに次いでの流入でしたが、イギリスと同様に安価で作ることができるハンチングは庶民がこぞって着用するようになります。
明治の終わりから大正にかけてハンチングはより一層流行するようになり、特に商人が好んで着用していたので、当時の日本ではハンチングといえば商人というように連想されていました。
季節に合わせたハンチングの選び方
季節ごとに素材を選べば、ハンチングは通年楽しめるファッションアイテムです。
春夏は薄手の綿や麻、カンビと呼ばれる草素材などの通気性の高い素材で作られたハンチングをオススメします。
夏の帽子でありがちな蒸れも気になりませんし、見た目もさわやかです。
秋冬はウールやツイード、厚手の綿がピッタリです。
また、フェルトやコーデュロイ、ベルベットなども秋冬用のハンチングによく使われます。
機能性はもちろん、雰囲気があるのでオシャレな印象を与えてくれるでしょう。
また、綿やウール、ツイードなどの生地製の場合ですと無地だけではなくチェックなどの柄物も選ぶことができます。
自分のファッションや季節にピッタリの物を探してみてくださいね。
スーツにも合うハンチングの魅力
スーツスタイルに帽子をあわせるのは難しいと考えている方は少なくありません。
しかし、今でこそカジュアルなファッションにこそ帽子が似合うと考えられていますが、もともと帽子はスーツスタイルと合わせるのが一般的でした。
ハンチングは英国紳士のために作られた帽子ですので、スーツにあわせてもマッチします。
素材に関しましてはスーツにあわせるのはもちろん、タイやスカーフなどの柄にあわせてみても統一感が生まれるのでオススメです。
シルクやレザーなどの高級素材をあわせると品の良い装いとなります。
ハンチングは何気ないスーツスタイルに味わいのあるクラシックな雰囲気を与えてくれるでしょう。
ワンランク上のスーツスタイルを楽しみたいのであれば、ぜひ挑戦してみてください。
