スマートに「スリーピース」を着こなすテクニック
ジャケット、ウェストコート、スラックスのセットをスリーピースと呼びます。
スーツというとジャケットとスラックスのみのスタイルを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、スーツの歴史を探ると本来はスリーピースがフォーマルの主流であったことがわかります。
そんなスリーピースをスマートに格好よく着こなすテクニックをお伝えします。
スリーピースを着るメリットとは
若い世代の人には、スリーピースになじみがない人が多いかもしれません。
スリーピースは男性らしさや重厚感をアピールしたいときにぴったりです。
ジャケットを脱いでもきちんとした雰囲気を保てるところが、スリーピースの魅力の一つでもあります。
スラックスの形を美しく履きこなすために役立つものにサスペンダーがありますが、シャツの上に使用すると野暮ったいイメージになりがちです。
その点、スリーピースならサスペンダーをウェストコートでナチュラルに隠すことができます。
スーツだけでは寒い季節は、特にスリーピースが活躍します。
スーツの上にコートを着るほどではないけれど肌寒いという季節に着るのにぴったりです。
暑がりの男性の場合、電車やバス内ではコートを着ていると汗が出るほど暑くなってしまうことがありますが、スリーピースを着ていると快適に過ごしやすいですよ。
一歩間違えば野暮ったく……? 着こなしの注意点
スリーピースの着こなしの鍵を握るのはウェストコートです。
ウェストコートのサイズは自分の体に合ったものを選ぶことが重要となります。
背中についた尾錠で微調節することは可能ですが、腕周りや胴回りのサイズが合っていなければだぼついたイメージになってしまい、おじさん臭い着こなしになりかねません。
ウェストコートのボタンは下まで締めずに、一番下は開けておきます。
理由は諸説ありますが、ウェストコートの一番下のボタンは開けておくことが正式な着こなしです。
中世のイギリスでうっかりウェストコートのボタンを閉め忘れてフォーマルな場に出席した権力者を気遣った当時のファッションリーダーが、
自分もウェストコートの一番下のボタンをはずしたことがきっかけで広まったとも言われています。
スラックスとウェストコートの間に隙間があると上下のつながりに乱れが生じ、スマートなイメージが遠のいてかなり微妙な着こなしになってしまうため、ウェストコートの丈が極端に短くなりすぎたり、長くなりすぎたりしないように着こなすことが大切です。
そして、おしゃれにスリーピースを着こなす仕上げとしてジャケットのボタンは締めずに開けておきましょう。
中に着るシャツにも気遣いを
スリーピースの中に着るシャツは、衿の形に注意して着こなしの邪魔にならないものを選びましょう。
ボタンダウンのシャツは、本来はポロの最中に着るシャツでありカジュアル色が強いものです。
フォーマルなイメージのスリーピースと合わせるためのシャツではないことを覚えておきましょう。
ストレートカラーやウインザーカラーのシャツをあわせると失敗しづらいですよ。